おはようございます!
今日は建物に求められる「強・用・美」の「強」の部分を深堀りしたいと思います!
某大手メーカーの営業マンから「木造は地震に弱いから鉄骨造で建てた方が良いですよ!」と言われました・・・というお声を頂きました。
あながち間違いとも言えないなあ。という面もあるので今日はその辺のお話を!
ではいきます!
木造は地震に弱いのか
これについての僕の回答は
「半分正解。半分間違い」
です。
木造が全て地震に弱いとは言えませんが、相対的に地震に弱いと言われる理由は『構造計算が必要か否か』という部分にあります。
これは法律の部分なので少しとっつきにくいですが・・・建物を建てる時には『確認申請』という、法律に違反していないかなどの審査を受ける必要があるんですね。
この確認申請の時に安全性も確認するんですが、一般的な木造2階建ての規模だと『構造計算』は必要ありません。
加えて、「設計士がちゃんとやってくれるよね?私たちはこの項目審査しません」という『特例』なんかも存在します。
もちろん最低基準はクリアする必要があるんですが、そもそも「別に図面付けなくてもいいっすよ~」という審査機関も存在します。建物が地震に耐えられるか審査しないんですね。
こういうところが「木造は地震に弱い」と言われることに対して「半分正解やな~」と感じる部分です。
かと言って木造=弱いではない
『構造計算しなくていい』という面では半分正解ですが、木造=弱いではないです。
木造でもきちんと構造計算をして、「地震に対して強い家ですよ」というお墨付きをもらうことは出来ます!
それが『耐震等級』というもので、3つの段階が設けられています。
『耐震等級1』
建築基準法で定められている最低基準
『耐震等級2』
等級1の1.25倍の地震に耐えられる
『耐震等級3』
等級1の1.5倍の地震に耐えられる
倍数で言われても良く分からないですね・・・
熊本地震のデータがあるので見てみましょう。
赤枠が耐震等級1。青枠が耐震等級3です。
実際のデータで見ても耐震等級3で建てることで安全性が高まる理由が分かると思います!
木造でも地震に強い家は建てられるんですね。
大地震が起きた時のポイントは「住み続けられるか否か」という所です。
「倒壊」はしなくても、住み続けられないと安心はできないですよね。
地震保険でカバー出来るんじゃないの?
少し話は逸れますが、「こういう時のために地震保険があるんじゃないの?」と思っていませんか?
結論、地震保険では安心は得られません。
理由を整理すると
1.建物の半額までしか補償されない
建物が全部倒壊しても半額しか補償されません
2.被害状況により、半額も出ない場合が多い
熊本地震では75%以上が一部損壊判定→建物の5%程度の補償
3.地震保険は建物再建ではなく生活再建
そもそも建物を建て替えるための保険じゃない
細かい内容は今回省きますが、地震保険をかけていても大地震が起きて住めなくなる
→地震保険の補償では建て替え出来ない
→ローンだけが残って結局生活が苦しい
ということになりかねないんですね。
30年以内に南海トラフ地震が発声する確率は70~80%と言われています。
→政府 地震調査研究推進本部
地震大国の日本では、耐震等級3はもはや必須なのでは?と僕は思います。
コストもかかるのでそれぞれの価値観で判断して良いと思いますが、
しっかりと中身や落とし穴を理解した上で判断しましょう!
終わりに
今日は「木造は地震に弱い?あながち間違いとも言えない理由」というテーマで、建物に求められる「強」の部分を少し深堀りしました。
このブログを読んで「家づくり初心者」から、後悔のない家づくりが出来る「家づくり上級者」までどんどんレベルアップして貰えたら幸いです^^
ではでは皆様良い一日を!
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豊かな暮らし研究所
まつだ設計
松田 強志
福岡市博多区竹下1-3-34-404
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